薄片観察の魅力
これは石灰質礫岩の薄片写真です(クロスニコル)
いきなりこんなもの見せられて、は?って思う方もいるでしょう、確かに意味わかんないですよね
でもこれ、石なんですよ!
なんかすごくないですか!
元は
こんな感じの石で
これを
こういう薄片というものにして、偏光顕微鏡というもので覗いてみると、
あら綺麗
こんな感じの模様が見られるのです。
写真に写っているのは、上の石を構成している鉱物や微生物の化石です
で、この薄片写真から結構色々なことがわかるのです。
海緑石という鉱物があるということは、この石が採れた地層は浅い海で堆積してできたことを示し、
この化石がなんの化石なのかが分かれば、この地層の形成されたある程度の年代が分かり、
波状消光の石英があるということは、この礫岩は何らかの変成を受けた地層から供給されたことを示します。
これが薄片観察です。
言わば、薄片観察とは謎解きなのです。
石をこの状態にすることによって、鉱物は自らの性質と歴史を語りだします。
見るものを、謎解きゲームのような楽しい努力へと誘うのです、
そして僕も薄片観察の魅力にとりつかれた内の一人なのです。
(岩石サンプルは愛媛県上浮穴郡久万高原町に分布するひわだ峠層から採取したものです)